職人の技術はどのくらいで習得できる?

こんにちは!まるこです!

技術を習得するまでの時間、はっきり言うと

人によります。

えぇ~答えになってないじゃん。

となってしまうので私とまるおの経験を元に、技術を習得できるまでのおおよその期間と内容を書いていきます。

大体の流れを把握するまでに1年
一通り一人でこなせるようになるまでで3年

1年で大体の流れの把握というのは、行程を覚えて完璧ではないけどある程度は作業ができてくると思います。
しかしこれは「言うなれば教科書通り」の事がわかる程度。実際の現場ではイレギュラーがよく起こります。
というかイレギュラーだらけです。

まるこ

現場は毎回違うからね

綺麗な所(=下地がしっかりしている所)に壁を塗る、クロスを貼るのは教科書通りに出来ます。

でも下地がグズグズのボコボコ、クラック(ひび割れ)もあれば穴もある。下地が腐ってる場合も。
そんな時に最善の方法を考えて適格な対処ができるかが重要になります。

どんな施工方法でいくのか?
そもそも表面上の問題だけではないなら、別職の人にまず修繕を依頼するか?

色んな見極めが必要ですが、こればかりはズバリ経験値
場数を踏んでないと分からない事が沢山あります。親方や他の人から「この場合はこうなる」と教えられても、実際に「この時はこうした、あの時はこうしたけどこうだった」など自分が経験しないとやはり身についてきません。

1年目で大事なのはまず、仕事を覚えて完璧に手元が出来るようになること。

手元とは、メインで行う職人の補助(サポート)役です。


手元の仕事は掃除から。
どの職種も初めは「掃除」が一番始めに覚えることです。ほうきやちりとり、掃除機で現場を綺麗にするのがスタート。こんなの簡単だよ!って思うかもしれませんが、綺麗にしていかない職人さん達もちらほら居ます。

いくら仕事が出来たってこの基本が出来ていなければ「最低」扱いになります。

現場では常に色んな職人さんが出入りするので後職の人達に迷惑がかからず、仕事がし易い様に掃除は基本
もし現場がビスや釘が大量に落ちていたら、誇りやゴミだらけだったら?
まずは後職に入った人が仕事でなく片付けからスタートしなくてはなりません。

これやられると正直みんなキレます。

基本の掃除をしない事で評価が下がり仕事がなくなる事だってあるのです。
小学校の頃の「生理整頓」「下校前の掃除」は大人になった今も当たり前に出来るようにと本当に大事なことだから最初に習った事だったんだな~と思います。

また、手元の仕事はスムーズに進められるように使う道具の準備、片付けもこなしていきます。
次にこの道具使うかな?というのが分かってくるので親方や兄弟子に言われたらサッと出せるように準備しておく。
手元はいわゆる下っ端の仕事を完璧にする事です。

その間に、親方の仕事を見て技術を盗むのです。盗むというと人聞き悪いようですが全て「教えてもらえる」と思っていたら大間違いです。

「みて覚える=技術を盗む」なのです。分からない事があれば、聞く。これのサイクルで成長していきます。

ある程度仕事を覚えてくると、一人でやってみろと言われ何回か繰り返して「大丈夫だろう」と判断されると一人で現場へ行かされます。

一人となると責任もあるのでより身が引き締まります。
私も最初の頃は、困った時親方へ電話しましたが「俺は今現場に居なくて見てないから分からない。現場判断はおまえに任せる」と言われました。

この言葉には「任せたぞと言ったからにはお前に任せる。失敗したら俺が責任を持つ」という意味が含まれています。
いつまでも頼ってばかりは居られません。

自分で考える事が重要なのです。

親方だったらどうするかな?仕上がりが一番いい方法は?など自分が経験してきた知識をフル活用し徐々にこなしていけるようになりました。

もちろん沢山失敗もしました。やり直して覚える事もあります。
そんなこんなで、

色んなシチュエーションの経験を積んでいき、大体の状況であれば一通りこなせる様になるのが3年目くらい

となります。

石の上にも三年(weblio辞書より一部抜粋)

「我慢強く辛抱すればいつか必ず成功する」という意味のことわざである。江戸時代の初期は「石の上にも三年いれば温まる」であった。「石の上に3年間座り続ければ、冷たい石でも温かくなる」という意味で、そこから転じて現在の意味で使われている。「三年」という期間は例示に過ぎず、実際は長い期間を意味する。

ことわざはこう言ってますが、実際3年なんてあっという間に経ちます。

まるこ

今だにこんなパターンもあるのか、という時もあり日々勉強です。

仕事が出来て半人前、仕事をとってきて一人前

by 親方

よく親方に言われてました。「勘違いするな、仕事ができる様になって一人前じゃないんだよ、仕事を取ってこれて作業してようやく初めてお金になるんだ」と。

納得。

いくら作業できようが仕事がなければ何も出来ないし生み出せないですもんね。
職人の「一人前」は簡単な道のりではないけど、だからこそ面白い。

日々勉強、日々精進!壁にあたってもあきらめずに頑張って行きましょう!

最後まで読んで下さりありがとうございました!
✔他の記事でも現場の事を書いてるので参考にご覧ください。

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この記事を書いた人

ペンキ屋とクロス屋を生業として働く女職人まるこ。
29歳で離婚後、親方である兄の元、33歳からペンキ屋の修行を積み40歳で再婚。
もれなく再度 修行できる得点付きで嫁いだ先はクロス屋さん。
二刀流を目指すべく日々修行中。
「女性職人、現場女子、女職人」・・・と世の中ではちらほら見聞きするけど実際どうなの?というギモンにお答えすべく、ブログを立ち上げました。


現役で働く女職人目線で、仕事の向き合い方や気に入った道具の紹介、現場の日常、趣味など多岐にわたり綴りたいと思います。
まだまだ男性が多い“建設業”に足を踏み入れたい方へ何かきっかけを作っていけたら幸いです。


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